芸術
デバイス
坪山美術館「ふるさと」シリーズ
叙事的空間
シアター
メモリ
1994年
このインスタレーションは、作家が幼少期に父親と過ごした時間にインスパイアされ創った作品です。1994年、作家の父親は北京大学燕東園にある庭付きの住宅を借りて事務所にして、そこで樹脂工芸品を作っていました。この仮住まいで過ごした2年間は、作者が父親と過ごした唯一の二人だけの時間でした。 作者の通学のために、作者の父親は事務所にある棚の後ろにシングルベッドを組立て、ベッドから棚越しに父親の事務所の光景を観察する作者の記憶がこの作品を作るきっかけになりました。両端の一人劇場は連動機構により交互に開閉し、観客はその窓から自分の虚像は1994年の父と息子のそれぞれの夢の中にいる光景が見える、またふとした瞬間に向かい端にいる見知らぬ人と偶然出会うこともできます。お互いの虚像はたまたま同じ空間に現れ、ふとすれ違いながらも会話ができません。 この作品は、機械、映像、インタラクション、美術セットなどを用いて記憶の断片を再現し、光反射の原理に使い違う虚像を同時にシーンが再現された空間に投影し、現実空間と繋がりがありながらも独立したナラティブの空間を形成させていく中、この偶然性を創ることによってナラティブにいろんな層をもたらしています。この作品のきっかけは作者個人の親子に関する記憶で、親縁関係における依頼性、対立、和解と後悔の輪廻を探求したいという目的もあります。
プロジェクト情報 プロジェクト種類:アートインスタレーション プロジェクト名:1994年 プロジェクト展示地:深セン、北京 クライアント:深セン坪山美術館、山中天芸術センター 設計時期:2021年 チーフデザイナー:王子耕 デザインチーム:于君、韓建業、汪曼穎、于揚、張鉄智、馬程、朱回然、林曜