深セン湾超級総部基地都市展示場空間デザイン
プロジェクト背景 深セン湾超級総部基地は、深セン市の東西方向を通る開発の脈絡、および南北を連通する山海回廊の中心に位置している、立地条件が抜群、自然景観にも恵まれています。総敷地面積は117ヘクタール、総開発建設面積は約520万平方メートルにも及びます。ここに、企業のグローバル本部(総部)の集結エリア、都市に文化の薫り高い町、国際交流のセンター、世界クラス海岸リビングルームなどが兼ね備えた未来都市モデルを構築します。エリア全域の配置構造、開発強度、機能構成、公共空間、地下空間、建築様式、自然景観、都市スカイライン、複合交通状況、スマートシティなどについて系統的に設計し、深セン湾を集約的かつ効率的な、エコそして人間性に富んだ「未来都市」として構築する目標を実現します。社会各界に深センが先駆都市としての都市コンセプトと発展状況を示すために、PILLSアトリエは深セン万科の依頼を受け、深セン湾超級総部都市展示場の空間最適化と展示ディスプレイデザインを手掛けました。2つの展示スペースは空間的に独立しており、東側で建物の帯状サービススペースで繋がっています。北側展示スペースには超級総部の計画設計のビジョンと成果が展示されている、南側展示スペースには都市建設を見届けてきた万科の足跡が展示されています。 既存都市展示場のほとんどは、専門的かつモデル化した展示方法を採用しておりが、都市設計にかかわる複雑なコンセプトをお客様に面白く見せる展示場はほとんどありません。今回の設計の原点になったのは、私たちが今回のデザイン依頼の課題を踏まえて掛けた問です:一つ目は、都市デザインの理念や価値観を、いかによりモダンな形式で表現できるか;二つ目は、 超級総部の設計の核心を、いかに面白く見せるか;三つ目は、展示場の限られた空間内に、いかにお客様の興味と好奇心を刺激できる素敵な空間を創れるか。 プロジェクト紹介 設計案のコンセプトは、今日の博物館の前身とされる驚異の部屋(Cabinet of Curiosity)からインスピレーションをもらいました。驚異の部屋は15世紀から18世紀にかけてヨーロッパで作られていた、収蔵家たちは様々な珍品、骨董品などを集めて陳列する部屋、収蔵室、キャビネットのことです。物品は整理・収納されてから空間のどこかに陳列される、種類ごとに置かれているモノとモノの間はどこかが繋がっている関係性があります。物品の一つ一つは自然科学もしくは人文歴史から切り取られた物質としての断片であり、見る側はこれらのモノを通して歴史を発見することができます。観客はこれらの物質断片を通じて未来と繋ぎ、現代の「驚異の部屋」はまさに深セン湾超級総部基地都市展示場のメタファーになっています。こんな空間の枠組みにおいて、全設計案はどう「モノ」を見せるというロジックを軸に、触知可能性(tangibility)をベースに、都市理念や価値観を形にし、および都市開発の過程を動くインスタレーションで表現し、展示を構成させていきます。空間が限られた展示場は、観客とマクロな都市ナラティブと連結する媒体となり、市民たちが未来の都市に対する好奇心と想像力を呼び起こし、そして未来への探索に参加してもらいます。 設計案のナラティブはディスプレイと観客の対話関係を生み出し、順を追って繋がっていく導線は多様化なコンセプトを展示する結節点を繋がっていくことで、観客にこの超級総部のビジョンを細かく分解し展示して行きます。展示内容と空間は一体となる:ナラティブの構造と空間の動線は相互に呼応する;展示壁、壁龕型展示台、ショーケース、展示台の組み合わせは連続する多様なインタラクティブインターフェイスを形成する;それぞれの結節点で異なるメディアが使用され、肝心なデザインコンセプトを再現しています。インタラクティブな模型とマルチメディアインスタレーションが組み合わせて、多感覚参加の没入型体験を作り上げ、都市が目に見える、触れるような存在にさせて展示し、人間、環境と未来のインタラクションが可能にしました。 展示場は、超級総部基地の設計理念を分解して展示のロジックとして生成・整理させることにより、そのデザインコンセプトは八つのスケールが違うモンタージュにしました。この空間に、超級総部のシステムと結節点は流線的な導線によって繋がっていき、順を追って次々と観客に見せていきます。ショーケース、展示台、壁龕型展示台が組み合わさって、さまざまな模型やマルチメディアインスタレーションを展示しいき、展示のナラティブに物的の情報と時空間のナラティブを加えて重ねています。 小ホールのプロローグには、大湾区一体化プロセスと都市計画構造の統一調整において、深セン湾超級総部基地の戦略的役割が示され、展示全体のナラティブの背景を説明しました。深セン湾区の平面図では、沿線の重要な都市結節点を標示することにより、「スーパーロケーション」交通便利の利点と、広東・香港・マカオ大湾区と連結するという巨大なポテンシャルを示しています。 超級総部基地の計画コンセプト---「1センター・2コア、クロス・ハビタット」は、平面図を用いて計画マスタープランの「スーパークロス」構造を示し、地域内の高層ランドマーク、文化のランドマーク、公園のランドマークの配置構想は融合・調和していると説明しながら、この展示のナラティブのためにマクロの全体システム枠組を構築しました。パース図とマルチメディアにおいて、落札企画のマルチメディアを用いて、都市計画のコンセプトを補充しながら説明を述べました。 「スーパーベイセンター」は、深セン湾超級総部基地の十字構造が交差する中心エリアに位置し、三棟の超高層ランドマークビル及びそれらにまつわる形成する複合交通ハブ、文化施設によって構成されています。「スーパーベイセンター」の展示は分解模型の形式を採用することにより、精巧に設計されている核心エリアの複雑な立体構造を分解し、当エリアの効率的かつ複雑な空間体系を観客に提示し、地下の空間体系および施設システム、および地上の道路網およびランドマーク建築を分かりやすくかつ詳しくに示しています。この展示方法により、都市建設のコンセプトと、大都市の「混雑文化」から人、町、自然へ多次元においうてインテグレートする可能性を示しています。イノベーティブな模型展示は深セン湾超級総部基地が都会の新しい名刺として、活気あふれる繁盛、共存するエコロジーのランドマーク性質を十分に表しています。 展示場の向かい側にあるT字型展示台にて、中央緑地の軸の模型と「五大生態系」を展示する立体ショーケースが置いてあります。中央緑地の軸は、超総に位置する湾岸と湿地を結ぶ南北方向の都市緑地であり、人間が自然と共生する美しさを表しています。中央緑地の模型は、カバーを上げることにより、地上エコロジカルデザインと地下交通システムを有機的に示し、そしてプラン動画プレゼンと合わせて、より直観的に「スーパーキャンパス」のデザインコンセプトと周辺との関係性を示しています。その隣に、生態系模型からサンプルを切り取り、透明タッチスクリーンと合わせて、深センの多様性のある豊富な生態系を鮮明に示し、超総エリアにおいて人と自然の調和のとれた共存という本来の設計意図と高密度住宅区と持続可能な開発が共存できる設計理念を強調しています。インタラクティブな生態系展示ボックスがあったからこそ、模型自体は内容が備えてくる、タッチしてこの地域内に生息する植物と鳥のさらなる情報を読み取れるので、観客の好奇心を刺激すると同時に、観客がこの生態系と感情のつながりを持つようになります。 「Future City Ridge」(未来都市脊梁)は超総クロスの軸の1つであり、超高層ビル都市に低密度の都心軸を形成させ、エリア内にマルチインタラクションプラットフォームを構築し、ユニコーン企業と高能級成長企業を育成するための空間で構成される低密度の活気あるコミュニティを構築します。この展示壁龕には、都市空間のビジョンを展示壁に埋め込み、未来のスパー活気あふれる都市の構成と、30万人の就業人口の日常のふれあい、消費、文化、レジャーを楽しむ場を示しています。町の断面模型を通じて、未来超総エリアの町の規模やパターンを直観的に理解できます。 深セン湾超級総部基地は、鉄道交通を中心とした立体的な交通システムを構築し、6つの線路と6つの駅を集結するスーパーハブを形成しています。「スーパーハブ」ショーケースでは、断面模型を通じて、地下鉄2号線、9号線、11号線、建設計画中の地下鉄29号線、深セン・東莞インターシティライン、広州・東莞・深センインターシティラインという6つの路線と6つの駅を集結する駅都市一体化総合ハブを示しています。「スーパーハブ」のカバー範囲とサービス提供範囲は、広東・香港・マカオ大湾区全域をカバーしています。 未来の超級総部基地は深センのランドマークビル集結地になる、すでに設計完成した21棟の超高層ビルのイメージは壁龕型展示台に展示され、超級総部に入居する「スーパーユーザー」の卓越した実力は垣間見れます。「総部ビル」ショーケースは交換可能なライトボックスを使用してランドマーク建築を展示するため、空白のライトボックスは、将来に超級総部基地に続々と入居予定のユーザーに展示スペースを予め確保しており、深セン湾超級総部は成長する新世代ベイエリアにあふれる生命力とセルフイテレーションの無限の可能性を示しています。モニターには、招商銀行グローバル本社ビル、ZTE本社ビル、万科本社ビル、OPPO国際本社など、フォーチュン500企業の本社の群像が示しています。 超総都市計画を細心に整理・分類して展示しているため、観客はさまざまなセクションから超総都市計画の核心思想を知るができます。小ホールの漸進的なナラティブの最後にあるのは、超級総部基地展示場ジオラマ模型が陳列される空間であり、観客は最初の設計に対する片面的な理解からこの地域にたいする全体像に対する認識へと変化していきます。 大ホール左右両側に都市の断面模型が設置されており、スライド開閉式モニターによりモニター画面と都市が比較となり、実物と所在地の断面図の組み合わせで、観客はインタラクションを通じてキーエリアに対する理解を深め、そして分解されていた情報コンテンツを全体像として再編成して、未来の総部の全体イメージを展示します。 大ホール中央に設置された1:500 のジオラマ模型は、超総の全体イメージおよび深センとの地域関係を明らかに反映しています。斜めに設置されたメインモニターと元の一文字型モニターはジオラマを囲むよう、超総の設計理念と美しい未来を展示しています。メインとサブ2つのモニターが連携し、ジオラマ模型と組み合わせて、多層情報コンテンツを示し、チャプターごとにマルチメディアコンテンツがあり、様々なシーンと住民のニーズを示し、観客は没入型の展示鑑賞を体現できます。 プロジェクト概要 この空間デザイン案は、前衛的な視覚表現、没入感あふれる表現手法とインタラクティブな空間体験を通じて、超級総部の都市理念と価値観を具現化していきます。自然に会場に溶け込んでいる音と映像が、展示内容や歴史的背景を補足説明しながら、単純な順序に従った展示解説と区別を付け、タイムラプスしたような雰囲気とドラマチックなムードを醸し出しています。展示は没入型のモンタージュ空間体験を通じて、さまざまな背景を持つ観客がより積極的にナラティブに入ってくるようにさせ、本アトリエの多視角のナラティブへ探求を引き継ぎ、空間、物体、文字の関係を確立し、単一の空間に複数のナラティブの可能性とコンテンツの奥深さを付与しています。この展示のディスプレイより、超級総部基地は大湾区の建設における都市玄関口としての青写真を描きだし、都市建設の成果を提示し、国際的なビジョン、前向きな考え方、革新的なデザインを用いて超総基地の高レベルの計画、ハイレベルの建設にあった展示空間を構築しました。機会と活力に満ちた大都市深センが、近い将来、卓越した影響力を持つスタンダードになる世界都市になることを共に見届けましょう。
プロジェクト種類:展示ディスプレイ・デザイン プロジェクト所在地:深セン市南山区 設計面積:750㎡ クライアント:深セン市万科発展有限公司 クライアント担当者:斉琳、潘琳琳、韓贇、張麗氫、劉珊、張謝鑫、王川、鐘宇翔、張浩 指導機構:深セン湾超級総部基地開発建設指揮部弁公室 設計期間:2020年~2021年 展示場改修・展示デザイン:PILLS チーフアーキテクト:王子耕 設計担当:周穎、褚傑、張少敏、石建礼、汪曼穎、沐璨琦、許詩曼、姜星竹、張暁環 顧問:金鑫、欧智文、紀嘯林 感謝:劉暁都、宗衛国 展示場施工およびデジタルコンテンツ、マルチメディア技術チーム:シルクロードビジョンテクノロジー株式会社