揚州三湾公園建築設計国際コンペティション
2023年6月、揚州市で「新生|運河精神」揚州三湾公園建築設計国際コンペティションが結果発表され、PILLSと南沙原創建築設計アトリエの連合体が揚州三湾公園建築設計国際コンペティション二等賞を獲得しました。 設計案概要 設計案は『揚州画舫録』に描かれる情景からインスピレーションを受け、「沿岸の楼台は昼間から豪華な衣装を着る客たちで賑わい、行き来する船から歌声が聞こえてくる」のように、古代中国の遊覧客が画舫という大船に乗って、湖沿岸の景色を楽しみ、船で川を下りながら揚州の庭園名勝、風土を見物します。『画舫録』には「土地を経線に、人物と物語の文字記録を緯度に」と記されているように、古運河に沿って巡っていくと、揚州の歴史、人文、詩情韻律を知ることができます。 この設計案のメインとなる移動式浮遊インスタレーション「船燈籠亭閣」を介して三湾の活力を引き出します漂流する船灯籠が水辺にあるさまざまな建築「柳岸観劇」、「扁舟一葉」、「水島双舞」と合わさると、さまざまなシーンを演出して異なる機能を実現できる、これによってさらなる多様な行事が触発され可能となり、共に運河の精神記憶を再び照らし、蘇らせます。川沿いに形成された多彩多様で活気あふれる新生の湾 は、三湾運河の記憶に描かれている新たな絵巻となり、さらに過去と未来を繋ぐ人々の暮らしを描いた人文図、そして歴史と町の記憶を継承していく運河観光ガイドでもあります。 今回のコンペでは、PILLSが三湾の移動式ランドマーク「船燈籠亭閣」、及び運河書房「柳岸観劇」のデザインを手掛け、伝統的な建築言語と東方の含蓄を現代風に表現し、伝統的な形式を用いて自然に親しむ素材を使用して、建物と三湾の自然と調和がとれた関係を構築され、呼応しています。 柳岸観劇 書斎の機能を備えている「柳岸観劇」は、人々が木の下で一緒に本を読む界を作り出す一つの試みです。建物が揚州伝統民家のシェルターを原型に設計され、木々に囲まれながら大地とつながる斜めの屋根の形をしているため、自然に溶け込んでいる抽象的な坂のような存在になっています。その屋根に人々は集い、木々や自然風景を眺めながら読書できます;また客席としても利用できるので、街に新たな文化の場や催しのきっかけにもなっています。書房の内部には吹き抜けの中庭となっており、安らぎの空間を作り出しています。入口から書房に入る客は吹き抜け中庭の中央部へ導かれ、高い天井から降り注ぐ太陽の光とともに安らぎの精神世界を感じることができます。建物が位置する公園の環状線通路を考慮しながら通路の空間を地下に持っていくことにより、屋外活動空間は地下へ、書房での快適な読書体験を仕上げました。 扁舟一葉 「扁舟一葉」の屋根の構造は「舟」をイメージした設計で、ウォータースポーツセンターの象徴が目立たせ、これから運河の標識灯台になるでしょう。敷地の高低差を利用したデザインは、屋外の大階段と建築は一体化となり、観戦、くつろぎなどさまざまな行事を開催できる運河シアターに仕上がりました。屋上・地上・地下を繋ぐ立体通路システムが多様な歩行体験を提供します。設計案全体は、気楽な面白い屋内外空間の雰囲気を作り出しています。 水島双舞 「水島双舞」の設計案は、元の橋がある場所に水平に新なに二つ分かれる橋を架設したことにより、二本の平行しながら交差する道が生まれました。2つの道はまるでデュエットダンスのように、時に交差したり、時に離れたりする構築になっています。同時に建造物に二つの空間の結節点を設置しました。一つは研学亭、竹鋼というエコな竹集成材を使って建てられるパビリオンで、メインの廊下からはちょうど大運塔と運河博物館を眺めることができます。もう一つは観景塔、塔を上る階段とスロープが垂直方向に二つの道を形成し、最終的に頂点に交わし、そこから運河の景観を俯瞰できます。 船燈籠亭閣 「船燈籠亭閣」は揚州画舫舟遊びという伝統的な思い出を継続し、川の上に浮ぶ移動式ランドマークと文化の象徴シンボルです。伝統的な孔明灯籠にイメージした建築物は三湾古運河に漂って、柔らかく軽やかな外観は詩的な雰囲気を醸し出しています。漂流する移動式インスタレーション自体は、ほとりの建築とさまざまな組み合せることで使用機能が変わり多様なシーンに対応できます。川岸にある客席と組み合わせって、舟の下層部は完全に開くと四面舞台に変身する;また一部のみ開いて、川に漂う移動式展示ギャラリーになる;さらに完全に閉じると、インスタレーション自体の内部は閉じられた機能空間に変わります。このインスタレーションは、揚州にある浩大な文化的景観においてユニークな構成要素の一つとなり、揚州市にさらなる独特な芸術ムードを加えることができるでしょう。
プロジェクト情報 プロジェクト名称:「新生|運河精神」揚州三湾公園建築設計国際コンペティション プロジェクトの場所:江蘇省揚州市広陵区三湾公園 主催機関:揚州市蜀岡ー痩西区風景名勝区管理委員会 運営機関:揚州三湾投資発展有限公司 協力機関:上海拾分之壱文化芸術有限公司 デザイン機関: PILLS プリンシパルアーキテクト:王子耕 設計担当:杜泓佚、汪曼穎、蔡雨築、鄧玥珠、沐璨琦、田宇馨、陳瀅瀟 南沙原創建築設計アトリエ プリンシパルアーキテクト:劉珩 設計担当:黄賛寧、黄傑斌、龔星翰、張慧東、黄梓健、董慧欣