2025年ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展 | 中国館 | 出展作品『蒼穹』
第19回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展(以下「ビエンナーレ」)が5月10日、イタリア・ヴェネチアにて開幕しました。中央美術学院建築学院准教授であり、PILLS建築スタジオの主宰建築家である王子耕氏が中国館より招聘され、インスタレーション作品『蒼穹』を制作しました。 本作品は、中国に固有の自然哲学と宇宙観をめぐり、古来より重視されてきた「人と自然の調和的共生」に基づく居住システムのナラティブを構築しています。中国の都市化進程を時代背景とし、建設現場の至る所に見られる緑色の養生ネットを主要素材として回収・選定し、さらに中国伝統の灯彩に用いられる無形文化遺産・竹編技法によって骨格を編み上げ、現代的な「藻井」として創出しています。藻井は中国建築史を通して発展してきた要素であり、多文化の融合を証明するだけでなく、縮図化された宇宙図像を載せる物質的媒体として、中国伝統文化における「天人合一」の思想的精髄を解釈するものです。本作品では、この藻井状の穹頂の下に連続するシーンのナラティブが入念に描かれており、中国人の天国へのイメージや美しい生活への憧れがいきいきと表現されています。 作品は回転する「華蓋」の形式をとり、フェナキストスコープの視覚残像原理を応用し、複数層のイメージを高速回転させることで「天・地・人・神」の四章構成による動的なナラティブを構築し、人と自然万物の関係性に対する独自の考察を演じています。飛鳥が鹿へ、鹿が人へ、魚が兎へ、雲紋が新たな形象へと変化し続ける——こうした循環往復するイメージの変容を通じ、「万物有霊(万物に霊が宿る)」や「道法自然(道は自然に法る)」という深層的な哲理を表し、人間以外の視点から自然を見つめ直すよう観客を誘います。層層に回転し続ける映像は、世界が循環し、生生流転するシステムであることを暗示するだけでなく、環境と持続可能性に関する本ビエンナーレのテーマとも深く共鳴しています。作品は、共感と物語性に満ちた語り口を通じて、自然環境に対する中国独自の認識と、良き生活への期待を、世界の多様な文化背景を持つ世界の観客に向けて提示しています。
プロジェクト情報 プロジェクト名:蒼穹(Vault of Heaven) プロジェクト種類:インスタレーション サイズ/時長:直径5m、高さ2.8m 出展建築家:王子耕 デザインチーム:PILLS/王子耕、汪曼穎、劉晨瑤、呉芳妮、任宇晴 構造チーム:bespoke. Sur-Mesure Engineering Studio/Florian Rochereau 音楽:小河 インスタレーション制作:UAP 竹編制作:濰坊天成飛鳶風箏有限公司 制作時期:2025年2月 施工用安全ネット提供(アルファベット順): BUZZ建築事務所、大舍建築設計事務所、家琨建築事務所、磯崎新+胡倩スタジオ、line+建築事務所、MAD建築事務所、趣城スタジオ、汤桦建築設計、URBANUS都市実践建築設計事務所、纬图設計、源计划建築師事務所 会期:2025年5月10日至2025年11月23日 会場:ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展 中国館






